ものをつくる、制作するということは言葉で考え、記述することではない。ひとはものをつくるときに、場合によっては道具を使う。しかし、道具を使うことで経験をどうにかすることができるものではない。経験はコントロールできるものではないから。
そして、ものをつくるときはどんなものができるか本人にもわからない。やってみなければわからない。科学するということはこの「やってみてわからないこと」に近い。
できたものを見てあれこれ考えたり、評価したり、利用したりするのは第三者だ。もしくは、自分であっても既に制作したときの自分ではない第三者だ。ここに行為のもつ不思議な力がある。